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コロナ禍でのCPRトレーニング

コロナ禍でも、CPRのトレーニングが必要な理由



BLS修了証(eCard イーカード)

【要旨】
(1)COVID-19は収束するまで時間がかかります。
  日本のワクチン接種完了予想は2022年4月
(2)新型コロナの生存率より心停止の生存率は4倍低い
  コロナの致死率は1.4% ⇒救命率98.6%
  院内心停止の救命率は訓練義務化の米国でも救命率24%
  心停止の方がコロナより怖い疾患
  日本は医療資格更新がなく、定期的に訓練されてる方は少ない
(3)訓練しないと、CPRのスキルが大きく低下
  訓練しないと実技は19点しかありません。
  訓練すると実技は93点。2年経つと37点に低下します
コロナ禍でも、CPRトレーニングを行うのは、訓練しなければコロナより救命率の低い「心停止に対処できない」からです。


コロナの収束時期予想
2020年3月のGlobalWebIndexによる世界13ヶ国での調査によると多くの国でコロナは3-4ヶ月で終わると思った人が多かったです(ref)
しかし、ハーバード大のトップスペシャリストのリプシッチ教授は、 人類の最大70%が、新型コロナウイルスに感染するという 見通しを発表しています。 また、ワクチンができなければ2022年まで自粛が必要としています(ref)。
米テキサス大学の研究では、新型コロナウィルスSARS-COV-2のスパイクの構造は、SARSに比べて10倍、レセプターにくっつき安い構造であることが判明しています。(ref)
1981年スペイン風邪では、世界人口の30%が感染し、3年間続きました。この事から 新型コロナウィルスでは、ワクチンが有効でない限り、2〜7年ではないかと推察しています。



さて、2020年12月現在の世界の感染者数は、約7千万人であり、これは全人類77億人の約1%に相当します。
イギリスの調査会社airfinityが世界各国のコロナワクチン契約量から推測した日本の集団免疫獲得の時期は、再来年2020年の4月です。(ref)
ワクチンの摂取はイギリスとロシアで始まっていますが、少なくとも、日本でも集団免疫を獲得するまではまだ時間がかかりそうです。


コロナの致死率とCPRの救命率
コロナが数ヶ月で収束するのであれば、その間しばらくCPRの訓練を休んでも問題はないかと思われます。
但し、致死率と救命率を比較すると、
現時点で日本の新型コロナによる致死率は1.4%です。(ref)
逆に言えば、コロナウィルス罹患した場合の生存率は98.6%です。

一方、心停止になった場合の生存率は、何も手当てしないと0%です。 心肺蘇生法の訓練実施に関しては、 何も訓練しないと実技の点数は19点です。 訓練すると93点まで上がりますが、3ヶ月すると83点まで下がります。(ref)
日本は医師、歯科医資格、看護師資格の更新制度がなく、CPRの訓練を定期的にされておられる方は非常に少ないです。
訓練して、3倍も救命率が向上することは意義あることです。


1974年、AHAは厖大なデータに基づくCPR蘇生法をJAMA(米国医師会雑誌)に発表しました。
1993年にヨーロッパ蘇生協議会等と協力して、ILCOR国際蘇生協議会を結成し、2000年にCPRガイドライン2000を発表しました。
CPRのやり方の初期理論は出来たのですが、2000年まではAHAも訓練コースを作っておらず、CPRの訓練をしていなかったので、全米の病院内の成人の心停止の救命率は、わずか8%でした。

この2000年から、AHAは標準的なCPRの訓練コースを作り、医療界を啓蒙して、今日では全ての医療者はCPRの訓練が義務化されました。
また、現在米国では2年毎のBLS/ACLSの訓練に加えて、3ヵ月毎のRQIトレーニングも導入されています。
欧米カナダでは、医師看護師の資格は更新性であり、約2年毎に知識やスキルを更新して必要なクレジット単位を取らないと、資格を維持できません。BLSやACLSも必要なクレジット単位に含まれます。世界の医療知識は4年もたたずに、2倍に増加していますので、科学的知見が必要な医療者資格を更新性にしているのは妥当なことです。
但し、日本は、更新制度がないので、世界標準からは遅れています。CPR訓練に関しても、義務化されていないので、救命率は米国より下がります。
米国では、CPR訓練を義務化し、継続することによって、 訓練コースを用意していなかった2000年以前と比べて、 救命率が3倍まで上がってきています。(25%)


コロナウィルス防止と、CPR訓練による救命率向上は、 救命のレベルでいうと同じくらい大切です。 救命率だけで論じれば、コロナ感染は生存率は99%、 院内心停止でCPRを実施したとしても CPR訓練訓練制度が確立している米国でも、25%なので 心停止は、コロナより4倍怖い疾患です。
つまり、コロナ禍でも、CPRトレーニングを行うのは、訓練しなければコロナより救命率の低い「心停止に対処できない」からです。

AHA岡山BLS・日本救命協会は、AHA本部・トレーニングセンターおよびと行政機関からの指示を遵守し、15項目の感染防御対策を行っております。
感染防御を計りながら、定員を半数に減らして、少人数で開催続行いたします。(グループでのお申し込み受付は3名以下です)

・入り口に非接触赤外線体温計と手指消毒アルコールを設置
 (ご自身で、おでこの体温を計測していただいています。)
・アルコールティッシュをご用意、使い捨て手袋1双を謹呈。
・受講生間の間隔を1.8m確保
 (現在は3人掛け机をお1人でご使用いただいています)
・換気扇で連続換気していますので、室内空気は外部排気されます。
 尚以下の感染防御は、コロナとは関係なく従来から、
 米国基準による厳格な衛生管理を行っております。
・人工の肺はお一人ごとに新品に交換
 (他のサイトでは、一人の人形を複数人で使っている例もありますが人の呼気は、人工肺や口腔を汚染する為、弊会は一人1台です)
・顔面(口腔)、無料ポケマ吹き込み口は、CDCのガイドラインに従い
 次亜塩素酸による浸漬消毒をしています。

会場のきらめきプラザは、スペースが広く、ご勤務先の病院よりも感染のリスクは少ないと思いますが、公共交通機関で会場に来られる場合は、感染のリスクがあります。
ご参加されるか否かは個人の状況に応じて慎重にご判断ください。
また体調が優れない場合は、参加をご遠慮ください。
、インフルエンザ等も含め感染性疾患の方は、受講はできません。体調を整えてご参加下さい。

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